Virtual Symposium, Bilateral Polar Bear Research Collaboration,
Canada and Japan

In Memory of Markus Dyck, Polar Bear Biologist,
Government of Nunavut, Canada

~ホッキョクグマ共同研究講演会~
日本とカナダによるホッキョクグマの研究協力

札幌市円山動物園 (札幌市)とアシニボインパーク動物園(カナダ マニトバ州ウィニペグ市)が気候変動に関する覚書を結びました。
札幌市円山動物園 、NPO法人EnVision環境保全事務所(札幌市)、Conservation Dimensions Inc.(ウィニペグ市)は、
【札幌市円山動物園とアシニボインパーク動物園の気候変動対策に関する協力に係る覚書】の締結を記念し、
WEBサイトによるホッキョクグマの研究講演会を企画いたしました。

※ WEBサイト公開期間:2021年12月1日~2022年4月末(予定)

このバーチャルシンポジウム開催を記念し、3月19日に専門的な研究発表内容を分かりやすく解説したイベントを開催しました。
カナダとの共同研究を進める研究員、動物専門員によるホッキョクグマ館での取り組みを交え、カナダ研究者の報告動画を分かりやすく説明しています。

【プログラム】
1.カナダ関係者挨拶(2:50)
2.ホッキョクグマの生態と札幌市円山動物園の取り組み(9:40)
3.カナダでのホッキョクグマ調査事例の紹介と現地の様子紹介(23:27)
4.気候変動による北極の環境変化がホッキョクグマに与える影響(45:45)
5.ディスカッション・質問回答(1:06:00)

2021年11月24日
覚書を締結

札幌市円山動物園は、ホッキョクグマの繁殖を通じて本種の国内飼育下個体群の保全に貢献してきました。この度、生息地における国際的な保全活動への発展を目指し、カナダ マニトバ州 アシニボインパーク動物園と気候変動対策に関する覚書を締結しました。この覚書に基づき、ホッキョクグマに視点をあてながら気候変動に関する保全教育や共同研究による知見および技術の共有等に継続的に取り組んでまいります。

ご挨拶

札幌市円山動物園 神 賢寿

アシニボインパーク動物園 グラント・ファーニス

※動画の字幕表示の方法について
動画を再生した後、画面右下に表示される【設定】から【字幕】で【日本語】を選択すると日本語のテロップを表示できます。なお、翻訳は、(特非)EnVision環境保全事務所が行っています。

ホッキョクグマ館の紹介
Polar Bear Facility of Maruyama Zoo

ホッキョクグマの飼育に適した飼育環境を示す「マニトバ基準」や「AZA基準」などの国際基準に沿って2018年10月に建設されました。メイン放飼場の広さは1400 m2で、傾斜地を利用した土の上には芝生や樹木が生え,生息地に近い環境を再現しています。プールの最大水深は3.7 mとなっており、水中トンネルからは隣接するアザラシプールの観覧が可能で、捕食者と非捕食者の関係性を間近に観察することができます。

About Us

・ 共同研究へ至った経緯について

・札幌市円山動物園が覚書を結んだ経緯について

・札幌市の気候変動への取り組みについて

・ アシニボインパーク動物園

発表者

Leslie Goodman

マニトバ大学

レスリー・グッドマンは、マニトバ大学環境・地球・資源学部の講師、及び共同教育運営のコーディネーターです。

Tricia Fry

ウィスコンシン大学

トリシア・フライ は、ウィスコンシン大学獣医学部の博士課程に所属しています。ボーフォート海の南部のホッキョクグマ個体群のデータをもとに生物的要因と非生物的要因を考慮しホッキョクグマの健康状態を反映するバイオマーカーの特定と生物学的、社会的、生態システムにおけるそれらの要因の相互作用について調査しています。コロラド州立大学にて学士号、ウィスコンシン大学マディソン校にて野生生物生態学の修士号を取得しています。

Jane Waterman

マニトバ大学

ジェーン・ウォーターマンは、マニトバ大学生物科学の教授です。

Stephen Petersen

アシニボインパーク動物園

ステファン・ピーターセン博士は、アシニボインパークコンサーバンシー(アシニボインパーク動物園の運営団体)の保全と研究担当のディレクターです。

Martyn Obbard

オンタリオ州自然資源省 名誉研究科学者(元職員)

マーティン・オブバード博士は、オンタリオ州天然資源省の名誉研究科学者であり、トレント大学(オンタリオ州ピーターバラ)環境生命科学大学院特任教授も務めています。

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2016年にオンタリオ州政府を32年間にわたり勤務したのちに引退しまいた。うち28年間は、オンタリオ州のアメリカクロクマとホッキョクグマの研究に携わりました。国際自然保護連動のホッキョクグマ保全グループの一員であり、ホッキョクグマの保全を担う各種委員会等(IUCN種保存委員会ホッキョクグマ専門家グループなど)のメンバーでもあります。

Douglas Clarke

サスカチェワン大学 准教授

ダグラス・クラークは、サスカチュワン大学環境持続可能性学部の准教授です。

Danielle Rivet

サスカチェワン大学

ダニエル・リベットは、サスカチュワン大学環境持続可能性学部の生物学の博士課程に所属しています。 カナダの北極圏で気候変動とホッキョクグマの行動、人間の活動、海氷ダイナミクスとの関連について研究しています。

Markus Dyck

ヌナブト準州環境庁

マーカス ディックは、ヌナブト準州に所属するホッキョクグマの研究者でしたが、ホッキョクグマの調査に向かう途中にヘリコプターの墜落事故により逝去されました。マーカスが集約した貴重な情報から、彼が本講演会用に作成したプレゼンテーションを残してくれたので公開いたします。 (記:マニトバ大学 リック・ベイダック / EnVision環境保全事務所 吉田剛司)